美容室
美容室は、正式には美容所といい、最近ではヘアサロンというのが普通になってきました。以前、美容室は女性が行くものだという固定観念がありましたが、現在では男女を問わず美容室を訪れています。男性美容師が増えてきたのもあるのでしょうか。男性客にとって、美容室はもはや敷居(しきい)の高いものではなくなりました。
パーマ屋
美容室も以前はパーマ屋と呼ばれていました。パーマをかけてくれる場所だからでしょう。現在でも年配の人は、パーマ屋と呼ぶみたいですね。でも、美容師はパーマをかける人、髪の毛をカットするだけの人ではありません。パーマや化粧が本業で、ヘアカットなどは美容師としてできる業務の中の一つでしかありません。美容師の仕事範囲は、私たちが思っている以上に広いのです。

美容室の定休日も、組合に入っていればほとんどの美容室で火曜日が定休日になります。ですが、最近では定休日のない美容室も増えてきました。結婚式場で花嫁の身支度をする美容師さんもいますので、定休日ではなくても、自分の担当の美容師が不在ということもあります。予約制をとっていないところでも、確認の電話を入れてから行くのがいいですね。
ヘアスタイリスト
以前のパーマ屋のイメージとは違い、現在の美容室では、カットやパーマだけではなく、スタイリングアレンジも美容師に求められます。ヘアスタイリストとして、様々なアレンジヘアを作りだし、流行に敏感になっていなければできないことです。元のヘアスタイルがちゃんとしていることはもちろん、どんな髪型でもきれいにアレンジして作り上げるので、自分でもできるように、様々なヘアカタログなどが市販されていますね。芸能人には専属のヘアスタイリストもついていて、ヘアメイクとして、化粧を行うのが普通です。

このことから、美容師は髪の毛だけではなく、メイクもこなすお仕事ということがわかるでしょう。メイクの方法も美容師次第で変ります。もちろん芸能人だけではなく、美容室を訪れた人にメイクを施してくれるところもたくさんありますので、一度メイクをお願いしてみてはいかがでしょうか。
最高齢の美容師
日本最高齢の美容師を知っていますか? 明治40年生まれで、女優、吉行和子、小説家、吉行淳之介、詩人、吉行理恵の母であり、連続ドラマ小説『あぐり』のモデルとなった吉行あぐりです。
岡山県の弁護士の娘として生まれ、15歳で結婚。1男2女をもうけました。2007年7月10日には100歳の誕生日を迎えています。1926年にアメリカ帰りの洋髪美容師と呼ばれた、山野千枝子の内弟子になり、美容師としての第一歩を踏み出したあぐりは、1929年に独立して山の手美容室を開店しました。戦後には同じ場所にあぐり美容室を開店し、90歳を過ぎてもなお美容師として働きました。
馴染みのお得意様でなければカットしませんでしたが、2005年まで、あぐり美容室で美容師としてカットやパーマを行っていたのです。
コラム〜「理想と現実」
美容師を目指したからと言って、すぐに一人前になれるわけではありません。たとえ技術やセンスがあっても、美容師として歩き出したときは先輩美容師がカットをし、床に散らばった髪の毛を掃除したり、シャンプーをするのが新人の仕事です。
親元を離れ、寮が完備された美容室に高校を卒業してから就職をしたYさん。働きながら技術を学び、将来は立派な美容師になる夢を抱えて旅立ちました。
毎日の掃除はもちろんのこと、タオルの洗濯やシャンプーの練習、寮(りょう)に戻ると炊事(すいじ)当番もありますので買い物に出なければいけません。そのうちシャンプーやパーマ液で指紋(しもん)がなくなるくらいに荒れてしまいます。
『こんなはずじゃなかった』
『いつになったら美容師らしいことをやらせてもらえるのか』
こう思うようになり、経営者に辞めたい旨を伝えても受け付けてもらえませんでした。下積みはどんな仕事にもあるものです。
それでも『こんなはずじゃ……だまされた』と思い込んだYさんは、ある日の夜中、こっそり荷造りをし、夜逃げをして実家に帰ってしまいました。もちろん美容室から電話や手紙が届くのですが、全部無視を決め込みました。
下調べもせず、憧れだけで突っ走ってしまった結果かもしれません。



